事業協同組合設立の8つのステップを解説

どうもハチワレです。

 今回は、事業協同組合を作るために必要な項目8つを紹介します。より具体的な「how to」は追って紹介しますが、まずは、どのようなことがをしていく必要があるのかを紹介します。

 ちなみに、事業協同組合のほか、企業組合、商工組合、協業組合等の「中小企業等協同組合法(以下:中協法)」や「中小企業団体の組織に関する法律(以下:中団法)」に準じて設立する組合組織も基本的には同じ流れとなります。

 いずれの組織設立であっても

 所管行政庁からの認可

 がないと設立はできません。

 ですので、認可をもらうためには多くの書類づくりが必須で、非常に面倒くさいです。

 株式会社の場合は司法書士さんに定款作成やら、登録免許税やら手数料やら30~40万円を支払って設立できますが、事業協同組合の場合はどうしても設立趣意書や事業計画、収支予算等、行政側に提出する資料を作成しなければならず、司法書士さんや行政書士さんに丸投げしても事業内容のヒアリング等で時間がとられ、最終的には報酬を支払わなければいけません。もちろん、やりたいことを話して、できた書類に判子を押すだけで完璧に仕上げてくれるので組合設立の選択肢の一つとして検討する価値は充分にあります。

 ただ、事業協同組合の設立は、すべて自分達で進めることも可能であることを知っておいて損はありません。

 しかも株式会社等の設立とはちがい、定款認可料や登録免許税はありません。自分たちで進めれば、ほぼコストゼロで事業協同組合は設立できます。

 そのためには、まず、設立までの流れを確認し、都度どのような書類を作成しなければいけないかを理解する必要があります。

 ここでは、事業協同組合の作り方として、大まかな流れと書類の概要を紹介します。特に覚える必要はありませんが、今、自分たちはどこの事務作業をしていて、次は何をしなければいけないのかは理解する必要があります。

こんな人にお勧め
  • 事業協同組合の設立を目指す人
  • 協同組合の設立の流れを知りたい人
  • 事業協同組合の設立で動き出した人
  • 事業協同組合の仲間を集めたい人
目次

事業協同組合の相談から設立までの流れ

STEP
発起人4人以上集める

事業協同組合は法律で4人以上の事業者で設立することが決められています。個人事業主が4人でも問題ありません。

STEP
設立趣意書、定款、事業計画、収支予算を作成する

協同組合設立で一番面倒ですが、一番重要なSTEPです。ここで心が折れないように頑張りましょう。

STEP
発起人会の開催 設立総会の公告(2週間以上)

SETP2で作成した内容を発起人会で承認して公式なものとします。ここまでくれば設立業務の70%達成です。

STEP
設立総会・理事会の開催

発起人会で承認した各種書類を総会に諮って、組織としての承認をもらいます。そして、設立した組合の舵取り役としての役員を選出します。

STEP
各種議事録、その他設立認可申請書の作成

総会議事録、理事会議事録を作成して、組合設立認可申請書を取りまとめます。

STEP
組合設立認可申請書の提出

胸を張って所管行政庁へ提出します。※基本的には都道府県にある中小企業団体中央会に提出になります。

STEP
設立認可書交付

所管行政庁から「認可書」が送付されます。大事に保管しておきましょう

STEP
設立登記

登記申請書を作成して提出すると、不備がなければ7日~10日程度で登記完了となります。

事業協同組合の設立は上記のようなプロセスが必要となります。

概ね、2カ月~3カ月は時間が必要かもしれません。

SETP1の人集めと、STEP2の構想の文書化がスムーズであれば時間はぐっと短縮されます。

発起人を4人集める

 事業協同組合を設立するためには、最低4人の事業者が必要です。これは必須です。

 どんなに革新的な事業プランを作っても、4人の事業者が集まらないと事業協同組合は設立できません。しかし、人間の体が4つ必要だということでありません。4人の事業者を必要としていることに注意して下さい。

 つまり、極端な例になりますが、私が、株式会社A、株式会社B、C株式会社、有限会社Dの4つの代表取締役であれば、私の体は一つですが、4人の事業者がいるので事業協同組合は設立できます。

設立趣意書、定款、事業計画、収支予算の作成

 事業協同組合設立で、この資料作成が一番重要な工程で、且つ一番困難なところになります。

 ですが、このサイトではひな型をダウンロードできるようにしていますので、ゼロから作るよりはずっと楽ですになるはずです。

 それと、ここで作る各種書類は、組合員や所管行政庁の担当者が目を通す資料となるので、多くの人が100点の資料作成を目指してしまいます。

 最初は30点の資料で十分ですので、か~るい気持ちで臨みましょう。

発起人会の開催 設立総会の公告(2週間以上)

 資料が作成できたら、発起人を集めて発起人会を開催します。

 目的は、作成した各種資料を承認して、発起人会の組合設立の案として創立総会の議案と認めることと、総会の日時と場所を決めます。

 そして、組合員になる意思のある事業者や、組合員資格のある事業者に周知(公告)します。公告は2週間以上の時間をとりましょう。なお、公告の方法は一般的に、発起人代表者宅と設立事務所に掲載する方法がとられています。

 ここまでできれば、事業協同組合の設立業務の70%は完了です。

設立総会・理事会の開催

 創立総会が開催されてしまえば、あとは議案を説明して、組合員となろうとする方々から承認を得るだけです。質問があれば答え、議案に異議があれば申し出てもらい、修正するかどうかを審議するだけです。

提出する議案は概ね次のとおりです。

創立総会議案リスト

第1号議案  定款承認の件

第2号議案  事業規約承認の件

第3号議案  初年度・次年度事業計画及び収支予算設定の件

第4号議案  賦課金の額及び徴収方法決定の件

第5号議案  初年度役員報酬の額決定の件

第6号議案  初年度1組合員に対する貸付金残高及び債務保証残高の最高限度額決定の件

第7号議案   組合の負担に帰すべき創立費の額及びその償却方法決定の件

第8号議案  初年度借入金残高の最高限度額決定の件

第9号議案  取引金融機関決定の件

第10号議案    組合成立当初の役員の任期決定の件

第11号議案    役員選挙の件

第12号議案    関係団体加入の件

第13号議案    字句内容の一部修正委任の件

 その他必要な事項があったら追加し、不要な議案は削除してください。上記の例の場合、第6号議案については定款で組合員に資金の転貸融資の事業をしないのであれば不要です。また第7号議案については、組合設立にかかった費用は発起人が負担するから不要だとするれば無理に議案に挙げる必要はありません。

各種議事録、その他設立認可申請書の作成

 議事録は2つ作成する必要があります。

 創立総会議事録

 理事会議事録

 議事録といっても、発言をすべて文書に起こす必要はありません。形式的には議案は誰が説明し、議場に諮ったら全員が承認したのか、賛成反対はったのか、議案の一部修正することで全員承認したのかなど、どのような結果となったのかがわかれば問題ありません。これもひな型がありますので、特にむずかしいことはないです。

 その他の設立認可に必要な書類は多数ありますが、基本的にはひな型があります。ただし、所管行政庁によっては、必要な個所に押印が必要です。特に設立認可申請書の場合は、発起人は登記している社判が必要ですし、理事となった方々は個人の実印も必要になります。そして、それぞれのその印鑑証明も必要になります。この収集が少し手間になります。

設立認可申請書の提出

 総会議事録と理事会議事録を作成し、組合設立認可申請書一式を準備して所管行政庁に提出し、認可を待ちます。10日前後かかる場合がありますし、所管行政庁が国の機関であれば、2週間~3週間の場合もあります。

認可書の交付

 認可されると事務所に連絡がきますので取りにいきましょう。もしかしたら、郵送してくれる場合もあります。

設立登記

 設立の認可書を受け取ってから2週間以内に登記をしましょう。登記に必要な書類は所管行政庁に提出した書類と同じもので問題ありません。ですので、行政庁に提出する書類は、提出用のほか、法務局用と組合保管も合わせて3部は作成しておきましょう。

 登記の際には印鑑の登録も一緒にしましょう。(改印届けも提出)

 また、出資金が集まった証拠として、出資金が記帳されてる通帳のコピーも忘れずに持参してください。

まとめ

 このように、事業協組合設立の流れを記載するとやることが多くて、本当に心折れそうになります。

 しかし、これをクリアできれば費用がかからずに組合を設立できます。しかも一つ一つ処理していけばそれほど難しいことはありません。

 正直なところ、発起人で決めることさえ決めてしまえば、実は書類作成は1日~2日完成します。しかも、各種書類の多くはひな型がネットの中で公開されています。

 ですが、ひな型が公開されていても、書き方のノウハウがないと中々前にすすまないのが現実です。

 このサイトではできる限り、そのひな型を提供し、事業協同組合の設立をスムーズに進めることが出来るよう情報を提供したいと思います、是非ご活用ください。

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